レコードっぽい音とはどのような音だろうか?
・ブチッ、サーッと針が溝を引っ掻く音?
・パチッと弾けるような音?
・ちょっと濁ったような歪んだ音?
・ノイジーで低音質?
生まれた時点でCD世代だった人達はこういうイメージがあるだろう。実際に僕もこのイメージだった。まさにノスタルジー。
ところがどっこい、レコードプレイヤー・アンプ・スピーカーを揃えて聴くと印象が全然変わってしまった。初めて機材一式を揃えてビートルズのI Saw Her Standing Thereを聴いた時の感動は今でも忘れない。溝を擦ったり、チリパチ鳴っていたが、解像度は抜群でイメージとはかけ離れていた。
盤によってはCDの比ではない音圧が飛んでくる。特に60年代のオリジナル盤はとてつもない。
そう、「レコードプレイヤー・プリメインアンプ・スピーカー」の3点セットで聴くとレコードはノイジー低音質とは真逆だったのだ。
レコード未経験の人はぜひ体験してほしい。
もし持ってない人が気軽に聴くにはジャズ喫茶がオススメだ。コーヒーを飲みながら良い音でジャズが聴ける。最高の空間だ。レコードについて上記のイメージがある人は必ず覆されるだろう。
ついでに先に書いた音の正体をひとつずつ解説していこう。
【ブチッ、サーッと針が溝を引っ掻く音】
レコードの構造上出る音だ。
まず、ブチッというのは針を盤に落とした時の音だ。サーッは曲間の無音の所の音だ。まさにレコードならではの音。
【パチッと弾けるような音】
これは3パターンある。
①針が盤の溝に溜まったゴミに当たった音だ。レコードっぽいといえばそうだが、クリーニングで取れる場合がほとんどだ。
②静電気によるもの。除電ブラシを使うと軽減することができる。
③傷によるもの。荒技治療もあるが基本的に修復不可だ。酷いと音飛びやループするものがある
【ちょっと濁ったような歪んだ音&ノイジーで低音質】
これはスピーカーや盤質による。スピーカー内蔵レコードプレイヤーはこういう傾向だ。それは針やスピーカーが安価なものが使われているからだ。
また、盤質が悪いと歪んだり、ミックスの関係上特定の音域が出ないことがある。
僕はShe Loves YouのUKオリジナル盤と日本盤を持っているので聞き比べたが、それぞれの特徴が顕著に出た。UKオリジナル盤は迫力や解像度など全てが高次元だ。
一方で日本盤はというと、良く言えば味があり、レコードでしか聞けない音だ。悪く言えば平面的でのっぺりしている。
逆にあえてこの音を出すことが有効な場合がある。それはBGMとしてかけたい時だ。
高音質=その場に適した音とは限らない。解像度が高いと会話の邪魔をしてまうのだ。
ちなみに40〜50年代の音楽はレコーディング技術的に高音が抜けてこないので古臭い印象を受けるだろう。これはスピーカー等の機材が原因ではない。
これらはどっちが良い悪いの話ではない。
理想とする音と異なる物を買い揃えてしまうと「イメージと違う。」と残念な気持ちになってしまうので要注意だ。
もし、レコードプレイヤーを買う前にこの記事を読んだならあなたは幸運だ。


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