同じアルバム/曲のレコード。
外見は同じでも発売年によって中身はけっこう別物だったりする。具体的にはミックスに差がある。*ミックスとは音の編集作業のようなもの
僕は以下のビートルズのPlease Please Meを持っている。片方はモノラルで、もう片方はステレオと違いはあれど、出音の傾向はけっこう違う。
①1963年発売 UKオリジナルのイエローパーロフォン(モノラル)
②1970年代再販盤のシルバーパーロフォン (ステレオ)
今回は同じアルバムでも発売された年代によってミックスがどう変わるか、PPMで比較した印象を書いていきたい。
年代ごとにミックスの方向性が違う
まずは年代ごとのおおきな特徴だ。ジャンルやアーティストによって変わってくるが、同じ曲を年代別で聴いた時の差だ。
①60〜70年代前半のレコード
中域が多く、高域と低域は控えめだ。というより、当時の機材環境的に高域/低域が出しづらいので結果的に中域が多いのだろう。
実際、1960年代までのレコードというのは新しいレコードには無い特有の音がある。デジタル音源で昔の音楽を聴くとショボかったり古臭く感じる要因には演奏技術や録音技術の他にミックスの影響も大きくある。
②70年代後半〜80年のレコード
技術の進歩により音域がワイド化された。現代人が聞いてもそんなに違和感ないだろう。今まで出ていなかった高域と低域が出てきたことにより、相対的に中域は控えめになった。実際に多少中域も削ってるかもしれない。
良くに言えば分かりやすく高音質化した。悪く言えば、それまでのレコードの味が無くなった。ちなみにデジタルで聴くともっと中域が削られパワー感が無くなっている。CD→レコードに変わった当時に一定数の人はCDは音が悪いと言っていたが、これを無意識のうちに感じていたのだろう。
③新品で買えるレコード
僕は基本的に中古レコードしか買わないが、たまに新品のレコードを買う。それらを聞いて思うのがサブスクで聞くのとあまり変わらないという印象だ。
普段サブスクの音楽を車内やワイヤレススピーカーで聴く音の感じと現代のレコードの音の感じが似ている。それは現代のレコードはあくまでデジタル録音・デジタル編集したものをレコードにフォーマットを変えて聞いているからだ。
「レコードという媒体で聴く」という体験をするにはそれでも問題ないが、「真のレコードの音を求める」なら現代のレコードはあまりその要求に沿っていないと考えている。
PPMでの比較
ではお楽しみの比較した感想を書いていく。まずは70年代の再販された通称シルバーパーロフォン。右上のステレオ表記が無いバージョンだ。こちらが癖もなく、より普通に近いと思う。


音の傾向は言ってしまえば”可もなく不可もなく”だ。値段も手頃なので比較的買いやすい。(はず)
シルバーはイエローに比べると音圧こそ無いものの、ワイドレンジで分かりやすく高音質になっている。イエローに比べて音圧は無いがサブスク再生よりはある。
音圧:イエロー>シルバー>サブスク
次にイエローパーロフォンだ。


マト1N/1N (2AL/1MH)・3rdプレス・モノラルで歴としたUKオリジナルだ。
イエローは高解像度というよりかは音圧で圧倒する。同じボリューム位置でも音量が違う。シルバーでワイドレンジと書いたが、イエローが特段ナローというわけではない。シルバーのハイハットがキンキンするとしたら、イエローはキンキンする直前の高音が鳴る。高域の中域もある印象だ。
シルバーは「聴く」、イエローは「感じる」の説明に尽きる。世のコレクターがオリジナル盤に何万円も払う意味がこれだ。もはやアトラクション料。
イエロー贔屓の言い方をすると「イエローがぶっとい音でシルバーが痩せてる音」なんて表現もできる。でも人によってはシルバーで十分。というかほとんどの人はシルバーで満足できる。イエローでしか満足できないのは”よほどのビートルズ好き兼レコード好き”と”音質マニア”だけだ。
ちなみにPPMの他にもビートルズのアルバム/シングルのUKオリジナルを数枚持っているが、それらも同様に音量がデカい。これは60年代のオリジナル盤の特徴なのだろう。
まとめ
管理人こと、私ざきは好きなものに関しては自他共に認めるほどこだわりが強い。なにせレコードで聴く理由は「当時の音楽は当時の媒体で聴きたい」と考えるほどだ。オシャレだから、流行ってるから、ではなく好奇心で始めたレコードだ。
案の定さらにこだわりは強くなった。どうせレコードを聴くなら「純アナログ方式のものでなるべく聴きたい」という考えに至ってしまった。故に新品のレコードはあまり買わずに中古レコード、もっと言うと〜70年代のレコードばかり買っている。
聴く目的にもよるが、僕のような「レコードはできるだけ当時の音で聴きたい」派の人たちは、とりあえずレコードを買うのではなく、発売年にも注目するとより好みの音が見つかるはずだ。
おわり

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